小さい白い虫「チャタテムシ」が大量発生する理由とは?

ある日ふと床を見ると、米粒のような小さな白い虫が数匹…。放っておくと数が増えて不快感が増すばかり。その虫の正体は「チャタテムシ」と呼ばれる害虫です。
チャタテムシは見た目が小さく、白く透けるような体をしており、特に湿度が高い梅雨〜夏場にかけて爆発的に増殖します。食品やカビ、古本などを好むため、家のどこにでも現れる可能性があります。
この記事では、特に幼虫の特徴や駆除方法を中心に、チャタテムシの対策を分かりやすく解説します。
チャタテムシ(茶立虫) 名前の由来と分類
チャタテムシの名前の由来は、一種である「スカシチャタテ」が出す音が、茶道でお茶を点てるときの茶筅(ちゃせん)の音に似ていることから名づけられました。
チャタテムシは「シラミ目(チャタテムシ目)」に属し、国内では約10種が確認されています。中でも「ヒラタチャタテ」や「コナチャタテ」が一般家庭でよく見られる種類です。
チャタテムシ 大きさと幼虫の特徴

チャタテムシの幼虫は0.5mm〜1mm程度と非常に小さく、肉眼では米粒やホコリと見間違えることもあるほどです。体は白っぽく、柔らかく、やや透明感があります。
成虫と違い、幼虫には翅(はね)がありませんが、動きは比較的活発で、床や家具の隙間をちょこちょこと移動します。特に、湿気のある場所やカビのある素材、本棚の裏、押し入れの中などに潜んでいることが多いです。
幼虫のうちからカビや古本の糊、食品の粉末などを食べて成長し、数週間で成虫になります。
チャタテムシ 成虫は飛ぶ?跳ねる?
チャタテムシの成虫の一部(特にコナチャタテなど)は、翅があり短距離ながら飛ぶことができます。ただし、長距離を自在に飛び回るわけではなく、ふわっと跳ぶ程度です。

また、種類によっては跳ねるような動きを見せるものもいます。ですが、ジャンプ力は高くないため、むしろ成虫になったことで活動範囲が広がり、家全体に拡散してしまう危険性が増します。
チャタテムシ 白|白いチャタテムシの正体とは?
白いチャタテムシは主に「幼虫」です。まだ翅(ハネ)がなく、色素も少ないため、白っぽく透き通ったような体をしています。これがホコリやチリのように見えるため、発見が遅れがちになります。
掃除機をかけた直後でも、床や窓際、家電製品の裏側などに再び現れるのは、こうした白い幼虫が隠れていたからです。
チャタテムシ 嫌いなものは?弱点を突いて駆除しよう
チャタテムシは次の3つの環境を非常に嫌います。
- 乾燥
- 空気の流れ
- 光
つまり「湿気」「風通しの悪さ」「暗所」といった逆の環境を改善すれば、チャタテムシは住みにくくなります。
【具体的な対策】
- 除湿機やサーキュレーターで空気を循環
- 日光を入れる
- 本棚や押し入れにラベンダーオイルなどの虫除けを設置
チャタテムシ どこから来る?発生原因と侵入経路

チャタテムシは主に以下のような経路で家庭内に侵入します。
- 段ボールの隙間に潜んで入ってくる
- 中古の古本・家具に付着している
- 食品やペットフードと一緒に持ち込まれる
特に注意が必要なのは通販などで届く段ボール。中芯と呼ばれる波板部分に卵が産み付けられていることもあります。荷物を開けたらすぐに段ボールを屋外に出す習慣をつけると良いでしょう。
チャタテムシ 駆除|置くだけでできる対策法とは?
完全に置くだけのチャタテムシを駆除できる商品は今現在はないようですがー
市販されている「置くだけタイプ?」のチャタテムシ駆除剤ならあります。どちらもスプレータイプの製品です。
アース製薬の「イヤな虫ゼロノナイト」は、1プッシュで空間に薬剤を広げるワンプッシュ式スプレーです。部屋の中央でプッシュするだけで、チャタテムシを含む60種以上の害虫に効果があり、1年持続する処方が特徴です。
同社の「虫コロリ ノンスモーク霧タイプ」も、スプレー缶を部屋に置いてボタンを押すと自動で霧が噴射される燻煙タイプに近い霧状スプレーです。火を使わず、煙も出ないので、火災報知器の心配が少なく、手軽に使えるのが魅力です。
どちらも「置くだけ感覚」で使える便利なタイプですが、使用時には一時的に部屋を閉め切る必要があります。
また、これ以外に防虫剤や除湿剤を活用するのも良いかもしれません。
チャタテムシ 水で死ぬって本当?効果的な駆除法とは
チャタテムシは水をかけるだけでは死にません。濡れると一時的に動きが止まることがありますが、しばらくすると再び動き出します。
そのため、アルコールや殺虫剤を用いた方が確実です。また、掃除機で吸い取った後、掃除機のゴミパックもすぐに捨てることが大切です。中で孵化してしまう恐れがあります。
チャタテムシ バルサンは効かない?実は効果あり!
「バルサンって効かないんじゃないの?」という声をよく聞きますが、実際にはチャタテムシにも一定の効果があります。
【ポイント】
- 事前に部屋を片付けておくことで効果が出やすくなる
- 床下や押し入れなど、煙が届きにくい場所には注意
- 卵には効きにくいため、数日おいて再処理が効果的
バルサンやアースレッドなどのくん煙剤は、成虫や幼虫の駆除には効果的です。ただし、完全駆除を目指すなら、物理的な清掃・除湿と併用するのがベストです。
チャタテムシを完全に予防するための習慣とチェックリスト
日々のちょっとした心がけで、チャタテムシの発生は抑えられます。
【チェックリスト】
- 押し入れやクローゼットをこまめに開放して換気
- 湿度を常時60%以下に保つ(できれば55%以下)
- 食品は密閉容器で管理
- ラグやカーペットの下も定期的に掃除
- ラベンダーオイルや防虫アイテムを活用
チャタテムシとダニ:分類と生物学的な違い
チャタテムシとダニは、どちらも「小さくて白っぽい虫」として見た目が似ているため、家庭内で混同されがちですが、分類・特徴・対策方法において大きな違いがあります。
チャタテムシとダニの違い一覧表
比較項目 | チャタテムシ | ダニ |
---|---|---|
分類 | 昆虫類(6本足) | クモ形類(8本足) |
サイズ | 約0.5〜1.5mm | 種類により0.2〜0.5mm程度 |
足の数 | 6本 | 8本 |
翅(はね) | 一部の成虫にあり、飛ぶこともある | 翅はない(飛べない) |
好む環境 | 湿気・カビ・紙類 | 湿気・フケ・ホコリ |
食性 | カビ・本の糊・食品 | 人のフケ・皮脂・カビ・花粉など |
刺す・咬むか? | 刺さない・咬まない | 種類によっては人を刺すことあり |
アレルゲン性 | 死骸やフンがアレルゲンになる | 主に死骸やフンがアレルゲン |
駆除方法 | 湿度管理・掃除・くん煙剤など | ダニ用スプレー・熱処理・布団乾燥など |
まとめ
チャタテムシは、特に幼虫のうちに見つけて対策を取ることが重要です。白くて小さい虫を見つけたら、それは湿気やカビが原因で繁殖したチャタテムシかもしれません。
- 幼虫は白くて非常に小さく、湿気やカビが好物
- 光・乾燥・風通しを嫌う性質を利用して予防
- バルサンや置くだけ駆除剤、ラベンダーなども活用可能
- 清掃と湿度管理を習慣化することが再発防止の鍵
「なんだか最近、部屋に白い小さな虫が…」と感じたら、すぐにこの記事を参考に環境を見直してみてください。

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