日本人の食卓に欠かせない「お米」。毎日食べるものだからこそ、安全性には気をつけたいですよね。最近、「プラスチック米」や「新型プラスチック米」という言葉を耳にした方もいるのではないでしょうか?
この記事では、「中国製のプラスチック米」と「日本で流通する精米改良剤入りの米(いわゆる新型プラスチック米)」の違いと、見分け方、さらには市販の有名ブランド製品についてもわかりやすく解説していきます。
中国製プラスチック米とは?その正体と流通実態
まず、「プラスチック米」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、中国で報道された偽造米のことではないでしょうか。

これは、本物の米ではなく、デンプン(じゃがいもやサツマイモなど)と合成樹脂(塩化ビニールなど)を混ぜて米粒の形に加工したもので、インドネシアやマレーシアなどで問題となりました。とくに2015年、インドネシアで中国産のプラスチック米が見つかり、健康被害が疑われたことから大きな騒動に発展しました。
しかし、現時点でこの中国製の偽米が日本に輸入されたという報告はありません。ですので、国内流通米に中国産のプラスチック米が混ざっていると過度に不安がる必要はないでしょう。
中国製プラスチック米の見分け方とは?

仮に中国製の偽造米が手元にあった場合、以下のような方法で見分けるとされています:
- 水に浮くか沈むか:本物の米は沈むが、プラスチック米は浮くことがある。
- 燃やすとプラスチック臭がする:燃やすと焦げるのではなく、ビニール臭がする。
- 炊いても硬い・粘りがおかしい:炊き上がりの食感が不自然でゴムのような食感。
ただし、これらの方法は素人には危険も伴うため、現実的な対処法としては信頼できる販売元から購入することが一番の予防策です。
日本の“新型プラスチック米”とは?精米改良剤の問題点
一方、日本国内で「プラスチック米」と言われることがあるのが、精米改良剤を使用した米です。
これは中国の偽造米とはまったく異なるもので、古米にツヤや甘みを加えて見た目や味を新米のように見せるために使われる食品添加物のことです。中でも「プロピレングリコール」は、液体プラスチックとも呼ばれ、食品だけでなく化粧品や不凍液にも使われている物質です。


精米改良剤に含まれる成分:
- D-ソルビット:人工甘味料で、甘みを加える。
- リン酸塩:米の割れを防止する。
- プロピレングリコール:光沢と保湿性を加える。
これらを用いたお米は、正式には「加工米」「精米改良米」とされますが、「新型プラスチック米」と表現されることがあります。
新型プラスチック米の見分け方はあるの?表示義務は?
残念ながら、袋詰めの米から精米改良剤の有無を見分けるのは困難です。表示義務があるはずですが、実際には以下の抜け道が存在します。
- 加工助剤扱いの場合は表示義務なし
- 使用量が0.6%以下なら省略可
- 外食・中食(お弁当やおにぎり)では非表示のまま提供されるケースも
そのため、以下のような商品やシーンでは、精米改良剤が使われている可能性が高いといわれています:
- コンビニやスーパーのおにぎり・弁当
- 外食チェーンのごはん
- ブレンド米・古米(精米日が古い商品)
日本メーカー(銘柄):アイリスオーヤマやサトウのごはんは大丈夫?
さて、ここで気になるのが、「アイリスオーヤマ」や「サトウのごはん」など、市販の加工米製品です。(※なぜかこの2社の検索数が多い)
これらは、「保存米」「無菌包装米飯」などとも呼ばれ、一定期間の保存を可能にしたパック米ですが、プラスチック米や精米改良剤とは異なります。
アイリスオーヤマの米製品
アイリスオーヤマは、無洗米やパックごはんを多く取り扱っており、自社で精米から包装まで一貫生産しています。**使用原料は国産100%**を明記しており、公式サイトやパッケージにも添加物表示をしています。精米改良剤の使用は確認されておらず、安心感があります。
サトウのごはん
長年人気の「サトウのごはん」は、レトルト高温殺菌と真空包装により、保存性と安全性を高めています。添加物に頼らず、「無菌化製法」で長期保存を可能にしているため、精米改良剤の使用はありません。
結論として、アイリスオーヤマやサトウのごはんは新型プラスチック米とは無関係な安全な商品です。
安全なお米の選び方とポイント

では、家庭で安全なお米を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか?以下のような点に注意するのがポイントです。
- 国産の新米を選ぶ:収穫から1年以内の米は古米である可能性が低い。
- 有機JAS認証のお米:無農薬・無添加の基準をクリアしたお米。
- 生産者が明記されている米:顔が見える米は安心。
- ふるさと納税や食材宅配を活用:生産地直送で品質が明確。
新型プラスチック米を食べると体に悪い影響が…
1. 化学物質の蓄積による健康リスク
精米改良剤に使われるプロピレングリコールやリン酸塩などは、人体において一時的な毒性は低いとされる一方で、長期摂取時の影響については研究が十分ではないのが実情です。
懸念される症状:
- 肝臓や腎臓への負担
- 有害物質の体内蓄積(特に小さな子どもや高齢者でリスク上昇)
- アレルギーや皮膚炎の可能性
特にプロピレングリコールは皮膚からも吸収されやすい物質であり、薬剤の浸透補助にも使われるほどの透過性があります。この性質が裏目に出ると、不要な化学物質まで体内に取り込んでしまう可能性があるのです。
2. 栄養吸収への悪影響
精米改良剤に含まれるリン酸塩には、カルシウムの吸収を阻害する性質があるとされています。これにより以下のような影響が考えられます:
- 骨密度の低下
- 骨粗しょう症のリスク上昇(特に女性や高齢者で顕著)
さらに、添加物全般に言えることですが、腸内環境を悪化させる可能性も無視できません。腸内細菌のバランスが乱れることで、免疫力の低下や慢性的な消化不良につながることも。

3. 子どもへの影響は特に深刻
子どもは体重あたりの食品摂取量が多いため、大人よりも影響を受けやすいとされています。
- 成長期にある神経系や免疫系への干渉
- アレルギー感作のリスク
- 長期的な体内蓄積による未知の影響
プロピレングリコールは、おしりふきや保湿クリームなどにも使われることがありますが、「食べる」という行為で摂取する場合は継続的な摂取量が問題になりやすいため、家庭内での注意が必要です。
4. 安全とされる量でも“複合摂取”の懸念
厚生労働省やFDAなどは、プロピレングリコールの使用量を制限していますが、これは単一食品での摂取を前提としたものです。
現実には、
- パンやお菓子などにも含まれることがある
- シャンプーやスキンケア用品からも皮膚吸収がある
- 市販食品や調味料との複合的な摂取
こうした状況を踏まえると、「一つ一つは基準内でも、総量としては体に負担がかかる」リスクは無視できません。
毎日食べる米だからこそ、「少しの化学物質」も軽視しないで
新型プラスチック米は、「毒性が高いから危険」というよりも、「日々の蓄積で健康に影響が出る可能性がある」という点で注意すべき存在です。
特に以下の方々はリスクを意識した選択が重要です:
- 小さなお子さんがいる家庭
- 妊娠中・授乳中の女性
- 高齢者や慢性疾患を抱える方
- 健康や食の安全に関心がある方
予防的な観点から避けるに越したことはないというのが、現時点での賢明なスタンスでしょう。
まとめ:混同せず、正しく知って、安全なお米を選びましょう
「プラスチック米」という言葉には誤解が多く含まれています。中国の偽米と、日本の精米改良剤使用米とはまったく別物であり、それぞれに注意点が異なります。
- 中国製プラスチック米は日本には輸入されていない
- 日本の“新型プラスチック米”は食品添加物の使用に注意が必要
- 市販のブランド米(アイリスオーヤマ・サトウのごはん)は安全
家庭の健康を守るために、賢く正しい情報をもとにお米を選んでいきたいですね。

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