【愛子天皇】国民の支持率は9割超──それでも実現しない制度的壁とは？【最新】

国民の声は「愛子さまを天皇に」──9割が支持する現実

2024年に行われた共同通信の全国郵送調査によると、「女性天皇を認めるべき」とする国民の割合は　90％ にのぼった。「どちらかといえば賛成」との回答を含めれば、ほとんどの国民が女性天皇に肯定的な見解を持っていると言ってよい。また、別の世論調査（毎日新聞）でも、81％が「女性天皇に賛成」と回答している。

この調査で具体的に名が挙がったわけではないが、国民の多くが念頭に置いているのは、天皇陛下のご長女である敬宮愛子内親王殿下であることは明らかである。専門家の間でも「女性天皇＝愛子さま」という暗黙の前提で分析されており、その支持率はもはや「国民の総意」に近いとされている。

ネット上に広がる支持の声：「愛子さまこそ次期天皇にふさわしい」

Yahoo!コメントやSNS、ニュースサイトの投稿欄では、愛子さまの天皇即位に関して賛成意見が圧倒的に多い。以下はその一部である。

• 「愛子さまの品格、知性、国民への親しみやすさは申し分ない。天皇に最もふさわしい存在だと思う」
• 「男系男子という幻想を守るために皇室が絶滅しては本末転倒」
• 「皇室が国民の象徴であるなら、国民が支持する愛子さまが天皇になるのが当然」
• 「憲法には『国民の総意』とあるのに、政治がそれを反映していないのは民主主義の否定ではないか」
• 「愛子さまが天皇になれば、若い世代の皇室への関心も高まるだろう」

また、次のような冷静な分析もある。

• 「愛子さまの即位は男女平等の象徴でもあり、世界に対しても日本の姿勢を示す良い機会になる」
• 「皇室の未来を真剣に考えるなら、愛子さまの即位を避けては通れない」

こうした声は決して感情的なものにとどまらず、制度や国際的価値観を踏まえた冷静な判断に基づいていることが多い。

反対意見の声とその背景

一方で、ネット上には以下のような保守的・伝統主義的な意見も少なからず見られる。

• 「皇統は男系で維持されてきた。その伝統を変えるべきではない」
• 「女性天皇が即位すれば、次は女系天皇の議論になる。皇統断絶を招きかねない」
• 「愛子さまは立派だが、制度には制度の重みがある。情緒だけでは判断できない」

反対意見の多くは「伝統維持」や「皇統の正統性」といった価値観に基づいており、皇室が持つ宗教的・象徴的意味合いを重視している。とくに「男系男子こそが神武天皇以来の皇統」とする見方は、保守層を中心に根強い。

しかし、ネット上では「伝統を盾に現代の現実から目を背けている」といった批判も増えており、過去の制度と現代の価値観との乖離が明らかになっている。

制度上の最大の壁は「皇室典範」

現在の皇室典範は、第1条において「皇位は男系の男子がこれを継承する」と規定している。この文言のため、いくら国民が愛子さまの即位を望んでも、制度上それは許されていない。

また、第12条では「皇族女子は、皇族以外の者と結婚した場合、皇籍を離脱する」とされており、愛子さまが将来結婚された場合、現行制度では皇室を離れることになる。これでは天皇どころか、皇室にとどまることさえできない。

専門家によれば、これらの条文を改正するには憲法改正は不要であり、国会で皇室典範を通常の法律と同様に改正すれば済む。つまり、政治の意思さえあれば法的なハードルは決して高くない。

なぜ議論が進まないのか──政治の「忖度」と先送り

では、なぜこのような明白な国民の声にもかかわらず、制度改革が進まないのか。その理由として、次の3点が挙げられる。

1. 保守層への配慮：自民党を中心とした与党が、皇統維持にこだわる保守派・宗教団体などの意向を強く意識している。
2. 悠仁親王の存在：2006年に秋篠宮家に悠仁さまが誕生したことで、「男子継承者は確保された」という論調が強まり、女性天皇論が急速に後退した。
3. 政治の消極性：皇室制度が「国家の根幹」に関わる問題であるため、政治家たちが争点化を避けている。

また、2017年に制定された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」のように、個別事案への特例対応が日本の政治の常であり、恒久的な制度改革には非常に慎重になる傾向がある。

タイムリミットは近い──制度改革の猶予は限られている

専門家によれば、愛子さまが結婚される前に制度を改正しなければ、皇室から離脱される可能性が高くなり、女性天皇の道が完全に閉ざされることになる。小田部雄次氏（静岡福祉大学名誉教授）は「この数年が最後のチャンスかもしれない」と警鐘を鳴らす。

現代ビジネスの報道によれば、仮に2025年中に議論を開始したとしても、有識者会議に2年、立法に1年かかるとすれば、愛子さまが30歳を迎える頃には結論を出さなければ間に合わないという。

結論：象徴天皇制と「国民の総意」のねじれをどう解決するか

日本国憲法第1条は「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、その地位は国民の総意に基づく」と規定している。この条文に照らすなら、国民の9割が支持する愛子さまの天皇即位は、まさに憲法理念を実現する形といえる。

にもかかわらず、制度の古さ、政治の消極性、伝統主義の壁によって、その道は閉ざされたままである。この「ねじれ」は単なる皇室問題にとどまらず、国民主権や民主主義の根幹に関わる問題である。

国民が真に支持する皇室のあり方を実現するためには、制度の見直しと政治的意思の明確化が不可欠である。愛子さまの即位は、日本の象徴天皇制が現代社会とどう向き合うかを問う、最大の試金石である。