「七夕=7月7日」と思っていませんか?
実は本来、七夕は**旧暦(伝統的な暦)**で祝う行事でした。毎年、旧暦に基づいた日付が異なるため、「今年の本当の七夕はいつ?」と疑問に思う方も多いようです。
この記事では、
- 2025年の旧暦の七夕はいつ?
- なぜ七夕を8月に祝う地域があるのか?
- 実際に旧暦で七夕を祝う地域や行事
を、やさしく丁寧に解説します。
七夕をより深く楽しみたい方、親子で行事の由来を学びたい方にもおすすめの内容です。
2025年の旧暦の七夕は「8月29日(金)」です

旧暦の七夕=「伝統的七夕」
旧暦とは、明治5年まで日本で使われていた「太陰太陽暦」のこと。月の満ち欠けを基準に日付が決まり、現在の太陽暦(新暦)とはズレがあります。
この旧暦の7月7日が、本来の七夕の日です。現在では「伝統的七夕」とも呼ばれています。
国立天文台でも、旧暦の七夕を「星を楽しむのに最適な日」として推奨しているほどです。
2025年の伝統的七夕は「8月29日(金)」
2025年の旧暦7月7日は、新暦で 8月29日(金) にあたります。これは近年の中でも特に遅い日付で、8月末の七夕はちょっと珍しいケースです。
星空観察にも適しており、空気が澄んでいる晩夏は、織姫(ベガ)・彦星(アルタイル)・天の川がよく見える時期と重なります。
月齢から見た「伝統的七夕の魅力」
旧暦7月7日は、月齢で言うと「月齢6日前後」。つまり、三日月から上弦の月へと移行するころで、月の明るさも控えめ。天の川を肉眼で見るには理想的な環境です。
2025年の8月29日も、ちょうどそのタイミングにあたるため、ぜひ夜空を見上げてみてください。
なぜ七夕を8月に祝う地域があるの?

七夕が雨に阻まれる…? 梅雨の問題
新暦の7月7日は、ちょうど梅雨の終盤。天気が悪くなることも多く、織姫星や彦星が見えないまま七夕が終わってしまうことも少なくありません。
せっかく星をテーマにした行事なのに、空が曇っていては楽しさも半減ですよね。
旧暦を守る=文化の継承
旧暦に基づいた日取りで七夕を祝う地域では、伝統文化を大切に守り続けている姿勢が感じられます。とくに観光地や伝統行事の根強い地域では、あえて8月に七夕を行い、観光客も巻き込んでイベントとして定着しています。
また、子どもたちが学校の夏休み中というのもポイントです。笹飾りや短冊づくり、星の観察会など、教育イベントとしても開催しやすい時期なのです。
夏の夜空に広がる「夏の大三角」
織姫(ベガ)、彦星(アルタイル)、そしてデネブの3つの星で構成される「夏の大三角」。この星たちは、8月の夜空では真上にのぼり、非常に見つけやすくなります。
星空観察がメインイベントでもある七夕において、8月の方が本来の趣を楽しめるというのは理にかなっているのです。
旧暦や8月に七夕を行う主な地域・祭り一覧
全国各地で、旧暦や月遅れの7月7日(=新暦8月7日ごろ)に七夕行事を行う地域があります。以下は代表的な例です。

有名な七夕祭り
地域名 | 開催時期 | 特徴 |
---|---|---|
仙台七夕まつり(宮城県) | 8月6日〜8日 | 東北三大祭り。巨大な吹き流し飾りが圧巻 |
安城七夕まつり(愛知県) | 8月第1金・土・日 | 50万人以上が訪れる大規模イベント |
高岡七夕まつり(富山県) | 8月1日〜7日 | 幅5mの吹き流しが商店街を彩る |
福生七夕まつり(東京都) | 8月第1木〜日 | 昭和33年から続く歴史ある行事 |
入間川七夕まつり(埼玉県狭山市) | 8月第1土・日 | 子ども向けイベントも充実 |
松阪七夕まつり(三重県) | 8月第1土曜日 | 商店街を中心とした地域密着型 |
その他の地域の風習
- 北海道(全域):「ローソクもらい」
子どもたちが家をまわってローソクやお菓子をもらう独自の風習。 - 山口県山口市:「七夕ちょうちんまつり」
市内が無数の提灯で幻想的な雰囲気に包まれる夜。 - 秋田県湯沢市:「七夕絵どうろうまつり」
美しい灯籠が街を彩るアートと伝統の融合イベント。
これらのイベントでは、星空観察に加えて地元の文化や歴史にも触れられます。
七夕の由来と伝説|織姫と彦星のラブストーリー

中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」
七夕の起源は中国にあります。乞巧奠とは、織物の上達や手芸の巧みさを祈る女性の行事で、織姫にあやかって「技芸の上達」を願う儀式でした。
日本に伝わったのは奈良時代といわれています。
「棚機津女(たなばたつめ)」との融合
日本にも古来より、神に捧げる布を織る女性「棚機津女」の伝承がありました。乞巧奠とこの信仰が融合して、七夕は「織姫と彦星の伝説」として形作られていきます。
織姫と彦星が年に一度出会う日
物語としては、仕事熱心だった織姫と彦星が結婚後に怠けてしまい、天帝の怒りを買って引き離されるというもの。ただし、働くことを条件に、年に一度だけ天の川を越えて会うことが許されました。
この「年に一度」というロマンチックな設定が、今も多くの人の心を引きつけています。
短冊に願いを書く理由とは?
もともと織姫のように「技が上手になりますように」という願いから始まりました。現在では、学業成就、健康、恋愛など、さまざまな願いを書いて笹に吊るします。
笹は、まっすぐ天に伸びる性質から「神様に願いが届きやすい」とされ、神聖な植物として用いられてきました。
まとめ:2025年は8月29日が本来の七夕。地域ごとの風習も楽しもう

2025年の「本来の七夕」は 8月29日(金)。
8月に七夕を行う地域には、旧暦や伝統行事を大切にする文化が残されています。
梅雨も明けて空気が澄み、夏の星空を楽しむには最適な時期です。地域の七夕イベントや祭りに足を運べば、夜空の美しさや伝統の奥深さに触れることができるでしょう。
ぜひ今年は、カレンダーだけでなく、夜空と地域の文化を意識しながら七夕を楽しんでみてください。
この記事でわかること
- 2025年の旧暦七夕は「8月29日(金)」
- 旧暦七夕は星空観察に最適
- 旧暦や8月に七夕を行う地域は全国に多数
- 七夕の由来は中国+日本の伝承の融合
地域行事を通して、星空に願いをかける日本らしい風習を、もう一度見直してみてはいかがでしょうか。

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