「最近、なんだか背中や腰が痛い…」「少し動いただけなのに、激しい痛みが走った」
そんな経験はありませんか?
もしかするとそれ、**“ 圧迫骨折 ”**かもしれません。
圧迫骨折は、特に高齢者に多く見られる背骨の骨折で、気づかないうちに起きていることも少なくありません。悪化すると寝たきりになることもあり、命に関わる合併症を引き起こすことさえあるのです。
この記事では、そんな圧迫骨折について、
- どんな人がなりやすいのか?
- やってはいけない動作には何があるのか?
- どのように予防すればよいのか?
といった内容をランキング形式やわかりやすい例とともにご紹介していきます。
「大事になる前に知っておけばよかった」と後悔しないために、
ぜひ最後までご覧ください。
圧迫骨折とは?年齢や性別でリスクは違う?
「圧迫骨折」とは、背骨を構成する椎体が上下方向の圧力でつぶれる骨折です。多くは**胸椎(きょうつい)や腰椎(ようつい)**で起こります。

圧迫骨折が起こりやすい人の特徴
- 女性(特に閉経後)
女性ホルモンのエストロゲンが減少し、骨密度が急激に低下します。 - 70歳以上の高齢者
骨の再生力が落ち、骨粗しょう症を背景に圧迫骨折を起こしやすくなります。 - やせ型の人
骨量が少なく、衝撃に弱い傾向があります。 - 長期間ステロイドを服用している方
副作用として骨がもろくなることがあります。
圧迫骨折でやってはいけないことランキング

ここでは医療機関の複数の情報をもとに「やってはいけないこと」を危険度・発生頻度・医師の注意度から独自にランキング化しています。
第1位:前かがみになる
【例】顔を洗う、食器洗い、靴を履く、布団を畳む
→ 椎体前方に過剰な負担がかかり、つぶれた骨をさらに押しつぶします。
【対策】
- 台を使って洗顔する
- 椅子に座って靴を履く
- 必要な物は腰の高さにそろえる
第2位:重たい荷物を持つ
【例】買い物袋、宅配便、ペットボトルの箱
→ 腰に一気に圧力がかかり、骨癒合が妨げられるリスクがあります。
【対策】
- カートを使う
- 家族やヘルパーに依頼する
- 分散して複数回に分けて運ぶ
第3位:体をひねる動作
【例】洗濯物を干す、後ろの物を取る、寝返り
→ ねじれ方向の力は椎体にとって非常に危険です。
【対策】
- 体全体で方向転換する
- 寝返りは「丸太寝返り」で上半身と下半身を一緒に
第4位:仰向けで長時間寝る
【例】硬いベッドや床であお向けに寝る
→ 骨折部が開く方向に引っ張られ、痛みや変形を招くことも。
【対策】
- 横向きで寝る
- 腰の下にクッションを入れてサポートする
第5位:長時間座る
【例】食卓で長話、ソファでテレビ
→ 静止姿勢が長時間続くことで、椎体にじわじわと負担が。
【対策】
- 30分に一度は立ち上がって姿勢を変える
- 骨盤を立てた座り方を意識する
第6位:自己流ストレッチや運動
【例】YouTubeを見てストレッチ、体を大きく反らす
→ 「健康にいい」と思っても、回復途中の骨には過負荷。
【対策】
- 医師か理学療法士の指導があるまで運動は控える
- 動くのは歩行訓練から徐々に始める
第7位:柔らかすぎる布団を使う
【例】低反発マット、古い布団
→ 寝返りが打ちにくく、背骨がゆがむ原因に。
【対策】
- 適度な硬さ(高反発マットや硬質敷布団)
- 専用マットレス(医療用など)を活用する
圧迫骨折は完治するのか?しないのか?
圧迫骨折は、多くの場合で手術をせずとも自然に治癒します。ただし、「完治」といっても元通りに骨が戻るわけではない点に注意が必要です。
骨の癒合は約2〜3ヶ月
保存療法(コルセット、鎮痛薬など)で骨がくっつくまで2〜3ヶ月が目安。
ただし、
- 骨がつぶれたままの形で癒合する
- 姿勢が悪くなる
- 慢性的な腰痛を残すことがある

「完治しない」とは?
医学的には癒合していても、
- 痛みが完全に取れない
- 背が低くなった
- 生活に制限が残る
といった症状がある場合、患者さんにとっては「完治していない」と感じることも。
圧迫骨折に気づかない?若い人でも要注意
痛みが軽くて気づかれないケースも
- 軽い腰痛だけ
- 姿勢が悪くなっただけ
- 背が少し縮んだ
このような状態で放置されることが非常に多いです。
若年者にも発生例あり
若くても、以下に当てはまる方は注意:
- ダイエットで栄養不足
- 長時間の座位作業(在宅ワーク)
- 過度なトレーニング
- スポーツの衝撃
→ 「若いから大丈夫」は通用しません。

圧迫骨折で亡くなることはある?
直接命を奪うことは稀ですが…
- 寝たきりになることが死亡リスクを上げます。
- 背骨が潰れ姿勢が崩れることで、肺活量の低下や消化不良が起き、誤嚥性肺炎や心不全を誘発することも。
特に80歳以上では、圧迫骨折→寝たきり→入院→肺炎発症という流れが命に関わることがあります。
圧迫骨折の原因と予防法をチェック
主な原因

- 骨粗しょう症(最大の要因)
- 栄養不足(特にカルシウムとビタミンD)
- 運動不足(骨への刺激が減少)
- 加齢
- 転倒事故(自宅内でも多発)
予防法
予防対策 | 具体例 |
---|---|
食事改善 | 牛乳、ヨーグルト、鮭、しいたけ、小松菜などを意識 |
適度な運動 | ウォーキング、ラジオ体操、スクワット |
転倒防止 | 家の段差やカーペットを見直し、滑り止めマット |
日光浴 | 1日15分程度、日差しを浴びてビタミンD合成 |
骨密度検査 | 年1回の定期チェックがおすすめ |
圧迫骨折と診断されたら?自宅で気をつけるポイント
寝る・起きるときのコツ
- 起き上がるときは横向き→手で体を支える→ゆっくり起きる
- 起床時はいきなり腰を起こさないこと
自宅の環境整備
- 必要な物はすべて腰から胸の高さにそろえる
- 椅子の高さは立ちやすいよう調整
- 手すりの設置や滑り止めマットも効果的
家族・介護者ができること
- 重い荷物の代行
- 定期的な見守りや声かけ
- 転倒防止のチェック(室内、トイレ、浴室など)
最後に:正しく知ることが最大の予防策です
圧迫骨折は「知らない間に」「ちょっとした動作で」起こることが多い骨折です。
ですが、やってはいけないことを知り、予防策を実行すれば、再発や寝たきりを防ぐことができます。
特にシニア世代では、ほんの少しの気遣いが**「これからの10年の生活の質」を左右します**。
今のうちから骨を労わる生活、始めてみませんか?

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