2025年8月18日、X(旧Twitter)で「iPhoneが盗聴されているのではないか?」という一つのポストが数千万回以上も閲覧され、大きな議論を呼びました。
ポスト主の主張はシンプルです。「子どもの歯科矯正相談のために電話しただけで、その直後から歯科矯正の広告が大量に出始めた」。検索すらしていないのに広告が連続して表示され、背筋が寒くなったというのです。
この告白をきっかけにリプ欄には「自分も同じ体験をした」という声が殺到。まるで都市伝説のような証言が並び、現代の“監視社会”を象徴する議論へと発展しました。

「考えただけで広告が出る」という証言
最も衝撃的なのは、「頭の中で考えただけで広告が出た」という声です。
- 「声にも出さず、頭で考えていたことが広告に反映された」
- 「昔の曲を思い出した瞬間、その日の夜にYouTubeにその曲が表示された」
- 「旅行をイメージしていただけで、航空券やホテルの広告が出た」
こうした体験が複数人から語られ、「スマホはすでに人の思考を読み取っているのでは」という恐怖が広がっています。

「会話が広告に変わる」パターン
一方で、会話がトリガーになっていると感じる人も少なくありません。
- 「夫と実家の解体の話をしていたら、その後すぐ解体業者の広告が大量に出た」
- 「同僚とスピルバーグの映画を話していたら、その日の夜にAmazonでその作品がおすすめ表示された」
- 「妻と特定の商品を話しただけなのに、SNSの広告に反映された」
- 「カフェで友人と雑談した内容が、その日の夜にSNSで広告になった」
このように、「聞かれているのでは?」と感じさせる体験談がリプ欄にあふれています。
「端末を越えて情報が共有される」不可解な現象
さらに不思議なのは、同じWi-Fiや同じ家にいる家族の端末にも影響が及ぶケースです。
- 「妻が検索した商品が、別アカウントの自分の広告に出てきた」
- 「子どもと話しただけの内容が、自分のスマホの広告に反映された」
- 「パソコンで調べた内容が、iPhoneのSNS広告に出てきた」
もはや端末の垣根を超えて情報が共有されているとしか思えない現象に、多くのユーザーが不安を募らせています。
技術的な解説と「ターゲティング広告」説
冷静な意見もありました。
- Googleの「クリック to Call」という仕組みにより、電話発信そのものが広告のデータとして利用されている
- GPSや位置情報により「実際に訪問した場所」が広告配信の根拠になっている
- Wi-Fiやネットワークを通じて家族間の情報が共有されることがある
- ただのターゲティング広告を「盗聴」と錯覚している可能性もある
つまり「盗聴」ではなく「仕組みの巧妙さ」が原因だと説明する声です。
しかし、“錯覚説”では片づけられない体験談があまりに多く寄せられたため、納得しきれない人も多いようです。

都市伝説・陰謀論めいた見解も多数
リプ欄は次第に、都市伝説のような世界観を帯びていきました。
- 「海底ケーブルの中継ポイントに盗聴装置が仕掛けられている」
- 「電源を切ってもスマホは盗聴を続けている」
- 「人間のDNAを書き換えて思考をハッキングする技術がすでに存在する」
- 「国民全員が監視対象であり、集団ストーカーは実際に行われている」
- 「軍事技術を転用してスマホは“思考盗聴”まで可能になっている」
もはや広告配信の議論を超え、情報監視や国家陰謀論へと話題が飛び火している様子が浮かび上がります。
実際の訴訟と「便利さとの引き換え」
さらに現実のニュースとして、アメリカやフランスでは「Siriがユーザーの会話を無断で録音・共有した」として訴訟が起き、Appleが和解金を支払った事例も存在します。
こうした事実があるため、「都市伝説ではなく現実の話だ」と受け止める人も多いのです。
一方で、「もし盗聴されていたとしても、便利な広告ならむしろ助かる」という意見もあり、便利さとプライバシーの境界線が揺れていることが見えてきます。
まとめ:便利さの裏に潜む“不気味な真実”
今回の「iPhone盗聴疑惑ポスト」は、多くの人が感じていたモヤモヤを可視化し、SNSを通じて爆発的に広がりました。
- 頭の中で考えただけで広告が出るという声
- 会話がそのまま広告になるという体験談
- 端末や家族間を越えて情報が共有される不可解さ
- 陰謀論を呼び寄せるほどの不信感
- 実際に存在する企業訴訟の事実
都市伝説か、現実か。
私たちは「便利さ」という名の魔法と引き換えに、プライバシーを手放しつつあるのかもしれません。

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